第82回日本臨床外科学会総会　完全WEB開催に当たって

第82回日本臨床外科学会総会
会長：内山　和久
(大阪医科大学 外科学講座
一般・消化器外科)

新型コロナウイルス感染が世界中で猛威を振るっております。国内での感染者数も再増加している現状で、ご尽力いただいている医療関係者の皆様方に敬意を表したく思います。

2020年10月29日（木）から31日（土）に大阪国際会議場で開催を予定しておりました第82回日本臨床外科学会総会は、往来される先生方の健康と安全を考慮し、5,000人以上の参加者を見込んだ大規模イベントとなるため、現地での学術集会を取りやめて完全WEB 開催とさせていただきます。

今回のメインテーマは「外科学のパラダイムシフト－継承と創造」としました。諸先輩が築かれた外科手技を継承して、次世代で斬新なエビデンスを創造することを期待したものです。従来から、外科医は、See one, Do one, Teach one（熟達者の手技を見、自ら体験して、それを次世代に引き継ぐ）としていました。しかし専門化・多様化する外科手術の進歩や医療を取り巻く急激な社会概念の変化により、働き方改革、外科医の減少、女性外科医共同参画など大きな課題が迫っています。そこで、総会特別企画として「外科医減少に対する具体的な戦略」「外科医の働き方改革」を取り上げました。

さらに新型コロナ感染症に対しては、総会特別企画「COVID-19を経験して -各施設からの提言」、学会特別企画「新興感染症の経験・対策-with/afterコロナ」として、最前線で活動されている施設から現状と課題、今後の対策などをライブ配信します。外科領域のロボット支援下手術、５G遠隔医療、Minimally invasive surgery、トランスレーショナル研究ほか、外科領域の一部の主題をライブ配信します。研修医セッションでは初期臨床研修医の皆様が学んだ症例、研究成果について積極的に発表・討論を行う機会を設け、優秀な演題を表彰することで外科への興味を持っていただくことを期待しています。

WEB開催は10月29日（木）から31日（土）の3日間に一部の上級演題と研修医セッション、企業共催セミナーのライブ配信を行い、その後、収録内容のオンデマンド配信を予定しております。その他の上級演題と主題関連演題、要望演題、一般演題の発表は、前もって提出して頂いたデータをオンデマンド配信します。開催方式の急な変更のため、縮小せざるを得ませんが、詳細はWEB開催プログラムをご参照願います。大阪の地で直接先生方のお顔を拝見できないのは大変残念ではございますが、是非とも心に残る学会になりますようにご指導をよろしくお願い致します。